Forward to 1985 energy lifeとは

Forward to 1985 energy life(1985アクション)は、家庭の暮らしの中で使われるエネルギー消費のあり方に目を向け、省エネに取り組む輪を広げようという活動です。


1985年頃、日本全体で使われる電気消費量は今の半分くらいでした。

それからの約30年の間に、パソコンが普及し、テレビが大型化し、エアコンがあるのが当たり前になり…といった具合に、家庭の中には家電製品が増えました。

これらの機器のおかげで生活は便利になった反面、電力消費も倍に増えているのです。



だからといって、今の便利な暮らしを捨てて1985年のレベルまで「戻ろう」といっても、それは無理な話です。しかし、生活を改めて見つめ直す事で、今の暮らしを維持したままエネルギー消費量だけを1985年のレベルにまで減らすことは十分に可能です。

省エネによって目指すべき1985年に「進もう」というのが1985アクションの趣旨です。



1985アクションは、一般社団法人Forward to 1985 energy lifeが主体になって活動しています。言い出しっぺの野池政宏さんの呼びかけに集まった全国の工務店や設計事務所が主な構成メンバーで、それぞれの地域での家庭の省エネの普及活動や「家庭の省エネのプロ」としての研鑽を行っています。


水の葉設計社は、地域の住まい手が省エネで快適な生活を送れるようにアドバイスや支援を行う

「1985地域アドバイザー拠点」に認定されています。

1985年を目指す方法

【STEP1】
まずは、今のエネルギー消費量を把握することから始めてみましょう。



「電気」「ガス」「灯油」の一年間の明細を用意してください(明細が無い場合は、電力会社・ガス会社に問い合わせると使用量を教えてくれます)。

または、家計簿や通帳などで使用料金が分かればそちらでも構いません。

灯油は記録がない場合も多いかと思いますが、「月に○回くらい○Lを買う」というのが分かれば、おおよその目処は付くと思います。



それらの一年間の使用量を合計した値を、標準的な家庭と比較してみましょう。

香川県の標準的な家庭の年間エネルギー消費量は次のようになっています。






この消費量を光熱費に換算すると次の金額になります。






あなたのご家庭はこの数値よりも多いでしょうか?少ないでしょうか?

1985アクションでは、ここに挙げた標準的なエネルギー消費量の『半分』を目指します。

消費量が標準の半分の家族を『1985家族』と呼んでいます。2030年には日本の全世帯が1985家族を達成している−−という未来の姿が1985アクションの大きな目標です。

詳しくは1985ホームページをご覧ください。1985家族かどうかを判定できる『1985アクションナビ』も用意されています。



また、エネルギー消費量が半分になるということは、光熱費も同じように減らす事ができるため、家計にとっても省エネは大きなメリットがあるのです。LPガスを使っている4人家庭の場合、標準的な光熱費は年間で24万円。これが半分になれば12万円もの節約になります。



【STEP2】

次のステップはエネルギーを何に使っているかを把握することです。

家庭のエネルギーの用途は、大きく「暖房」「冷房」「給湯」「照明」「換気」「家電」の6つに分けることができます。



これらの何にどれくらいエネルギーを使っているかは、各家庭によってバラバラです。また、「寒がりだから暖房は必須だけど夏はエアコンが無くても平気」だとか、「赤ちゃんがいるからお湯をたくさん使いたい」など、必要とする用途も各家庭によって変わってきます。省エネと聞くと「我慢」が必要と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、闇雲に省エネ対策を行うのではなく、必要なところは残して無駄なところを削るという事が、省エネ生活を楽しむコツです。


【STEP3】

最後のステップは、効果的な省エネ対策を把握し、実行することです。



省エネ対策の3つの要素は、「住まい手の行動」「建物での対策」「設備での対策」です。すぐに実行に移せるのは「住まい手の行動」による省エネですが、それだけでは限界がある場合も多くあります。例えば、断熱性能がとても悪い家で、暖房は絶対に付けない!といって毛布をかぶって暮らしていたら、エネルギー消費は抑えることはできますが楽しい省エネの姿ではありませんね。無理して「行動」で省エネするよりも、「建物」の断熱性能を高めることで、暖房でのエネルギー消費を激減させ、今まで以上に快適な室内環境で暮らすことができるようになったりします。


何をすればどれくらいの効果があるのか、というのは家庭の状況によって様々ですし、建物や設備も含めて総合的に考えた場合には専門的な知識も必要になります。省エネや節電に関する情報は色々と見かけるようになりましたが、それぞれの暮らしに合った省エネのためには、一律的な情報ではなく、各家庭の状況に応じた的確なアドバイスが重要になってきます。特に「建物」や「設備」の対策にはコストが掛かるので投資するコストと省エネ効果やその他のメリットとのバランスを考える必要があります。





1985地域アドバイザー拠点では、これらの専門的な内容についてアドバイスを行うことが可能です。STEP2やSTEP3の段階では、「1985SIMLATOR」というシミュレーションツールを使った分析や提案を行うことができます。


「こんな省エネなら取り組んでみたい!」

「省エネ生活ってなんだか楽しそう!」

と思われた方は、ぜひお気軽に水の葉設計社、もしくはお近くの地域アドバイザー拠点でお声掛けください。